受動喫煙による健康被害は、従業員や顧客の安全に直結する重要な問題です。とくに中小企業にとって、受動喫煙防止対策は大きな課題となることが多いですが、このような対策を支援するために「受動喫煙防止対策助成金」が活用できます。この助成金を利用すれば、喫煙専用室の設置や改修にかかる費用の一部が補助され、負担を軽減することが可能です。
本記事では、受動喫煙防止対策助成金の基本的な情報から申請手順について詳しく解説していきます。
ぜひご参考ください。
受動喫煙防止対策助成金ついて
受動喫煙防止対策助成金は、事業場における受動喫煙防止対策を推進するために、中小企業事業主を対象に支給されます。この助成金は、喫煙専用室の設置や改修にかかる費用の一部を補助し、事業者が従業員や顧客に安全で健康的な環境を提供することを支援する制度です。とくに飲食業を営む中小企業に対しては、助成率が通常よりも高く設定されています。
対象企業
助成金の対象となるのは、労働者災害補償保険の適用を受ける中小企業事業主です。日本標準産業分類における飲食業を営む企業に対しては、助成率が2/3に引き上げられています。なお対象となる事業場は、既存特定飲食提供施設であり、健康増進法に基づく第二種施設を運営していることが条件です。また、少なくともアルバイトを1名以上雇用している必要があります。
申請基準
助成金を申請するためには、ある基準を満たすことが必要です。まず、工事着工前に「受動喫煙防止対策助成金交付申請書」を所轄の都道府県労働局に提出し、交付決定を受けなければなりません。さらに、喫煙室の設置や改修が一定の技術的基準を満たしていることが求められます。例えば、喫煙専用室は、煙が外に漏れないように区画されていることや外部へ煙を排気する装置が設置されていることが必要です。
給付金額
給付金額は、喫煙専用室の設置や改修にかかる工費、設備費、機械装置費などの費用の最大2/3まで助成されます。ただし、飲食店以外の事業場では助成率は1/2に設定されています。助成額の上限は100万円であり、また喫煙室の単位面積あたりの助成対象経費は60万円/㎡を超えないことが条件です。飲食業を営む事業者の場合、この助成額の計算基準が適用されます。
もっと詳しく知りたい方
出典:厚生労働省「厚生労働省, Ministry of Health, Labour and Welfare, mhlw, 健康, 医療, 受動喫煙, 職場,支援,助成金, 雇用, 労働|厚生労働省」
受動喫煙防止対策助成の申請手順
受動喫煙防止対策助成の申請手順については、以下の通りです。
- 事前準備
- 助成金交付申請書の提出
- 交付決定の通知
- 工事の着工
- 工事完了後の報告
- 助成金の支給請求
- 助成金の受け取り
申請の各段階で不明点があれば、都道府県労働局に相談することが推奨されます。また、申請書類の記載内容に不備がないよう、慎重に準備を進めましょう。
まず工事を実施する前に、喫煙専用室の設置や改修に必要な計画を立てます。計画には、設置する喫煙室の仕様や工事の詳細が含まれていることが必要です。
次に「受動喫煙防止対策助成金交付申請書」を所轄の都道府県労働局に提出します。このとき、提出した申請書が受理され、労働局から正式な交付決定を受けることが必要です。工事の契約や着手は交付決定後でないと認められません。
労働局から助成金の交付決定通知を受け取ります。これにより、正式に工事を進めることが可能です。この段階で工事の詳細や業者の選定を確定させます。
交付決定を受けた後、喫煙専用室の設置や改修工事を実施します。このとき、工事の内容が申請書で提出した計画に沿ったものであることを確認する必要があります。
工事が完了した後「事業実績報告書」を作成し、労働局に提出します。この報告書には、工事内容や実際にかかった費用の明細書を添付し、実績を正確に報告します。
績報告書の審査が完了。内容が適切であると確認された後、正式に助成金の支給請求を行います。労働局に対して請求書を提出し、助成金の支給を待ちます。
労働局から助成金が支給され、企業の口座に入金されます。これで助成金の手続きが完了します。
まとめ
受動喫煙防止対策助成金は、従業員や顧客の健康を守るために中小企業が実施する喫煙室の設置や改修にかかる費用を補助する重要な制度です。助成金を活用することで、企業は安全で健康的な職場環境を提供し、受動喫煙のリスクを大幅に軽減できます。事業者は申請基準や助成額に注意しながら、申請手続きを正確に進めることが求められます。
そして、みなさんも健康経営のサポーターとして、健康経営を実践していきましょう。健康経営に挑戦したい方や健康経営の進め方に悩まれている方は、ぜひ「本橋柊」までお問い合わせください。
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