現代の労働市場では急速な技術革新やグローバル化により、労働者のスキルアップがますます重要視されています。企業が競争力を維持するためには、従業員が変化に対応できる知識や技術を習得することが不可欠です。
そうした中で「人材開発支援助成金」は、企業が従業員のスキルを高めるための重要な助成制度となっています。この助成金を活用することで、企業は従業員に研修を受けさせる際の費用や賃金の一部を補助され、経済的負担を軽減しながら人材育成に取り組むことが可能です。
本記事では、人材開発支援助成金の基本的な情報から種類の特徴について詳しく解説します。
ぜひ参考にしてください。
人材開発支援助成金とは?
人材開発支援助成金は、労働者のスキルアップや職業能力の向上を目的とした研修や訓練を行う事業主に対して支給される助成金です。職場外研修(Off-JT)や職場内訓練(OJT)を実施することで、企業は従業員の知識・技能を強化し、変化の激しい労働市場に対応できる人材を育成することができます。とくに中小企業にとっては、こうした研修の実施にかかるコストが経営の負担になることが多いため、人材開発支援助成金を活用することが大きな助けとなります。
人材開発支援助成金は、研修の種類や内容に応じていくつかのコースに分かれており、企業のニーズや従業員の職務内容に応じたコースを選択することができます。また令和3年4月の制度改正により、通信講座やeラーニングも助成対象に含まれるなど、より柔軟な対応が可能になっています。これにより、従業員が自宅やリモートで研修を受けることができるため、効率的な人材育成が進められます。
もっと詳しく知りたい方
出典:厚生労働省「人材開発支援助成金|厚生労働省 (mhlw.go.jp)」
人材開発支援助成金の種類
人材開発支援助成金は、研修内容や対象となる従業員に応じて7つのコースに分かれています。各コースの特徴を理解し、企業のニーズに合ったコースを選択することが重要です。
1.人材育成支援コース
このコースは、企業が従業員のスキル向上を図るための訓練を支援します。対象となる訓練は、社内でのOFF-JT(部外講師や部内講師による訓練)や外部機関での事業外訓練、OJTとしての認定実習併用職業訓練などです。有期契約労働者向けの特定の訓練も支援対象となります。
2.人への投資促進コース
このコースは、企業が高度デジタル人材の育成や成長分野における人材育成を促進するための訓練を対象としています。ITスキル標準に基づく高度デジタル訓練や大学院での成長分野訓練、情報技術分野の実習併用訓練、自発的職業能力開発訓練などが含まれます。
3.事業展開等リスキリング支援コース
企業の新事業展開やリスキリングを目的とした従業員のスキル向上訓練が対象です。社内で行われるOFF-JTや外部機関での事業外訓練が支援されます。企業が新たな分野に進出する際や、従業員のスキルを再構築する際に利用されます。
4.教育訓練休暇等付与コース
このコースは、従業員に対して3年間に5日以上の有給教育訓練休暇を付与する制度を導入・適用した企業が対象です。従業員の学び直しやスキルアップを支援するために、有給での休暇制度を設けた企業に助成金が支給されます。
5.建設労働者認定訓練コース
建設業に従事する労働者の職業能力開発を目的とした訓練が対象です。職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練や指導員訓練が含まれますが、経理や営業販売関連の訓練は対象外となります。建設現場で必要なスキル習得を支援します。
6.建設労働者技能実習コース
建設労働者が一定の要件を満たす技能実習を行う際に支援されるコースです。訓練は1日1時間以上、最長6か月以内で、特定の実習は10時間以上と定められています。技能検定に関する講習も助成対象となり、建設業界での実践力強化を目指します。
7.障害者職業能力開発コース
障害者の職業能力向上を支援するための教育訓練が対象です。厚生労働大臣が定める基準に適合する訓練や、それに必要な施設や設備の整備・更新に対して助成が行われます。障害者の雇用促進とスキル向上を目指す企業に適しています。
人材開発支援助成金の申請ポイント
人材開発支援助成金を活用するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。申請が成功するかどうかは、準備の段階から計画的に進めることが重要です。
助成金の申請には、事前にしっかりとした研修計画を立てることが求められます。具体的な研修内容や実施期間、対象者を明確にし、それを踏まえた計画書を作成することが必要です。研修の目的が不明確な場合や計画が曖昧な場合は、助成金の申請が通らない可能性があるために詳細な計画立案が重要です。
申請には多くの書類が必要であり、書類の準備が遅れると助成金の支給に影響が出ることがあります。例えば、研修の実施報告書や訓練実施計画書、労働者の参加状況に関する記録など、書類の整備が申請手続きの基本です。さらに、申請期限も厳守しなければならないため、早めの準備と段取りが不可欠です。
訓練を実施した後も、継続的なフォローアップが求められます。従業員が習得したスキルが実際の業務にどう活かされているか、訓練の効果がどの程度現れているかを評価することが大切です。訓練の成果を企業全体に反映させるためには、定期的な見直しや追加のサポートが必要となる場合もあります。
まとめ
人材開発支援助成金は、企業が従業員のスキル向上を図るための貴重なサポート制度です。各コースを有効活用することで、企業の生産性向上や人材確保に大きな効果をもたらします。申請には計画的な準備と正確な手続きが求められますが、その効果は長期的に企業にとって有益です。今後も制度の活用を検討し、従業員と共に成長する企業を目指しましょう。
そして、みなさんも健康経営のサポーターとして、健康経営を実践していきましょう。健康経営に挑戦したい方や健康経営の進め方に悩まれている方は、ぜひ「本橋柊」までお問い合わせください。
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