【健康経営のはじめ方②】健康経営の基盤を支える組織体制!担当者の重要性

健康経営は従業員の健康を重要な経営資源と捉え、その維持・向上を目指す取り組みです。しかし、単に健康施策を行うだけではなく、企業全体で一貫した方針のもとで持続的に実施することが求められます。

その持続的な健康経営を可能とするのが、しっかりとした組織体制の整備が必要です。

本記事では、健康経営における組織体制の整備方法、担当者の役割と外部の専門家の関与について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

組織体制の整備

健康経営の理念と方針が確立したあとは、これを実行に移すための組織体制を構築することが不可欠です。健康経営の理念と方針については、下記の記事からご覧ください。


まず、専門部署を設置します。または既存の人事部門に専任の担当者を配置し、計画の策定と全体の活動を指揮する役割を与えることが重要です。担当者が中心となり、企業全体が一体となって健康経営に取り組む体制を整えることで、取り組みの効果を最大限に引き出すことができます。

健康経営担当者とは

健康経営担当者は、従業員の健康を維持・向上させるために重要な役割を果たす存在です。企業が健康経営を推進する上で、従業員の健康は生産性や企業の持続可能性に直結しています。健康経営担当者が存在することで、企業は体系的かつ戦略的に健康経営を推進することが可能です。担当者がいなければ、健康経営に関する取り組みが場当たり的で一貫性を欠き、結果として効果が出ない可能性が高まってしまいす。

また私たち医療従事者は、この健康経営担当者と密接な関係を築くことが必要不可欠です。健康経営担当者の悩みや希望の未来をヒアリングし、私たちのできることを提示していきましょう。

健康経営担当者の役割

健康経営担当者の役割は企業全体の健康戦略を策定し、その実行を指導・管理することです。具体的な役割としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 健康経営施策の立案と実行支援
  2. 社内コミュニケーションの促進
  3. 経営層や産業保健スタッフとの連携

1.健康経営施策の立案と実行支援

健康経営の基本方針をもとに、企業の健康課題を洗い出し、それに対応する具体的な施策を立案します。これには、従業員の健康診断の結果やストレスチェックのデータを分析し、必要な健康増進プログラムを設計することが含まれます。医療従事者は、ここで専門知識や技術を発揮し、プログラムの提案をできるかが重要です。

2.社内コミュニケーションの促進

健康経営に関する情報を社内に広く周知し、従業員一人ひとりが健康への意識を高められるようサポートします。これには、定期的な健康セミナーの開催や社内の健康意識向上キャンペーンの企画・実施などが含まれます。セミナー開催やフライヤーを作成することで、健康経営担当者をサポートしていきましょう。

3.経営層や産業保健スタッフとの連携

健康経営担当者は、経営層や産業医、保健師などの産業保健スタッフと密接に連携し、健康経営の取り組みが効果的に進むよう調整します。また健康経営の進捗状況や成果を経営層に報告し、必要な意思決定をサポートします。私たち医療従事者にとっては、切っても切り離せないステークホルダーとなるでしょう。

健康経営担当者の注意点および適任について

適任者としては、総務・人事などの管理部門での経験が豊富な方が望ましいとされています。また産業保健に関する業務に従事している従業員が理想的です。とくに従業員の健康状態に深い理解があり、健康経営を推進するための情熱と能力を持つ人物を推薦しましょう。

適切な資格と知識の保持

健康経営担当者には、健康経営に関する基本的な知識と健康経営アドバイザーなどの関連資格が求められます。これにより、最新の健康経営情報を適切にキャッチアップし、社内に還元することが可能となります。

しかし、資格や知識が不足している健康経営担当者も多く存在します。そのため、私たちが健康経営に関する知識を把握しておくことで、企業や担当者と信頼関係を構築することが可能となるのです。

コミュニケーション能力

健康経営担当者は、社内外の関係者との円滑なコミュニケーションが求められます。従業員の健康に関する情報を的確に伝え、経営層や産業保健スタッフと協力して取り組みを進めることが必要となるからです。そのため、優れたコミュニケーション能力が必要となってきます。

私たちとしては、コミュニケーションが図りやすいように「データ分析」や「図解」など、提示してあげるとよいでしょう。サービスの内容だけでなく、ここでも医療従事者としての専門性を発揮できると企業側から喜ばれます。

現場の理解と実行力

健康経営担当者は、企業の現場の状況を十分に理解している必要があります。とくに従業員のニーズや業務環境を把握し、それにもとづいた健康施策を効果的に実施することが重要です。また、健康経営の施策を推進するための実行力も必要なスキルといえるでしょう。

経営層の支援

健康経営担当者が効果的に役割を果たすためには、経営層からの支援と協力が不可欠です。経営層が健康経営の重要性を理解し、担当者に権限を与え、必要なリソースを提供することが可能になります。ここの連携をしっかりすることで、健康経営の取り組みが一貫して成功する可能性が高くなるでしょう。

医療従事者は健康経営担当者の役割を理解しておくことで、信頼関係を構築し、サポートすることが可能です。十分に役割を確認し、頼れる健康経営サポーターを目指していきましょう。

健康経営担当者と健康経営優良法人認定

健康経営担当者の設置とその活動は、企業が健康経営優良法人認定を取得するうえで非常に重要な役割を果たします。

健康経営優良法人認定とは

特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから社会的な評価を受けることができる環境を整備することを目的に、日本健康会議が認定する顕彰制度です。大規模の企業等を対象とした「大規模法人部門」と、中小規模の企業等を対象とした「中小規模法人部門」の2つの部門を設けています。 (経済産業省より一部抜粋)

評価項目ごとに認定基準が具体的に定められており、満たすかどうかで認定されるか否かが決定されます。
※認定基準は、中小規模法人部門と大規模法人部門とで異なっている

この認定を取得することで、企業は社会的信用を高め、優秀な人材を引き付けることができるだけでなく、企業ブランドの向上やリスク管理の強化にもつながります。

参考:経済産業省「健康経営優良法人認定制度」ウェブサイト
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html

しかし、この認定を受けるためには、単に健康に関連する施策を実施するだけでなく、その施策が組織全体に浸透し、継続的に改善が図られていることを証明する必要があります。ここで健康経営担当者が果たす役割が非常に重要となります。健康経営担当者は、健康経営の方針を立案し、具体的な施策を実行に移すとともに、その進捗をモニタリングし、必要に応じて改善を行う必要があるのです。

また、健康経営優良法人認定の取得には、健康経営担当者が中心となって企業内外の関係者と連携を取り、健康経営の取り組みを効果的に進めることが求められます。たとえば、産業医や保険者との連携を深め、従業員の健康データを活用して個別の健康課題に対応することや、定期的に実施される健康診断やストレスチェックの結果をもとに、企業全体の健康戦略を見直すことが重要です。

その他外部の専門家

健康経営を成功させるためには内部の取り組みだけでなく、外部の専門家の力を借りることが不可欠です。

たとえば、健康経営アドバイザーや産業医、保健師といった専門家を導入することで、組織内では補いきれない専門知識や最新情報を取り入れることができます。とくに、健康経営アドバイザーは、最新の健康経営情報をキャッチアップし、施策に反映させる役割を担います。

健康経営アドバイザー

健康経営アドバイザーは、企業内で健康経営の指揮をとり、健康経営に関する最新情報を収集・周知する役割を持ちます。具体的には、従業員の健康課題を把握し、適切な健康施策を立案・実行することが求められます。アドバイザーが中心となることで、健康経営の取り組みが一層効果的に進められ、企業全体の生産性や持続可能性の向上を期待することが可能です。

産業医

産業医は、企業や職場における労働者の健康管理を専門に行う医師のことを指します。彼らは労働環境が健康に与える影響を評価し、労働者の健康を守るための具体的な助言や指導を行います。産業医は労働者の健康診断の結果をもとに、健康リスクの評価を行い、職場での改善策を提案することが可能です。

また、ストレスチェックやメンタルヘルス対策も担当し、労働者の心身の健康維持に努めます。法令にもとづいて、一定規模以上の企業には産業医の選任が義務付けられており、その役割は企業の健康経営において非常に重要です。

産業保健師

産業保健師は、労働者の健康を守るための専門的な支援を行う看護師です。彼らは企業内での健康管理活動をサポートし、健康診断後のフォローアップや健康教育、メンタルヘルス支援など、幅広い業務を担当します。

産業医と連携して、労働者の健康リスクを低減させるための具体的な対策を実施し、企業の健康経営を推進していくことが必要です。産業保健師は、労働者一人ひとりに寄り添い、個別の健康ニーズに対応する役割も果たしており、その存在は企業の健康管理において欠かせないものとなっています。

健康経営に携わるときには、企業の内部事情をよく把握している人との関わりが必要不可欠です。1番は健康経営担当者。その次に挙げられるのが、上記の専門家の方々です。これから健康経営をはじめる方は、まずはこの方々との関係を構築することをオススメします。

まとめ

健康経営の成功には、強固な組織体制の整備と内部外部の連携が不可欠です。専門部署の設置や健康経営担当者の任命、さらに外部の専門家の活用を通じて、企業全体が一丸となって健康経営に取り組むことが求められます。

健康経営アドバイザーや産業医などの専門家の知識を活用することで、より効果的な施策を実施し、企業の健康経営の成熟度を高めることができるでしょう。

そして、みなさんも健康経営のサポーターとして、健康経営を実践していきましょう。健康経営に挑戦したい方や健康経営の進め方に悩まれている方は、ぜひ「本橋柊」までお問い合わせください。

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